3.11.2013

ヴァイオリン・チェロ材を求めて・・




 2012年の初夏にオーストリアのブリゲンツ山手にあるリーフンスベルグと、ドイツはミュンヘン近郊のマークインダスドーフにある弦楽器専門の材木屋さんに楽器づくりの仲間と一緒に買付けに行きました。

オーストリアの製材所、高床式になっていて一年を通し
風が吹来抜けるようにブラインド式の窓が並ぶ

 

買付けの主な目的はカエデ材です。
表板はイタリア産のスプルース(アルプス山脈より南側のもの)を使うのですが、裏板、横板とネックに使われるカエデはスロバキア、チェコ、クロアチア、ボスニア、ルーマニアなどから各地の製材所に渡りイタリアに入ってきます。
そこでまとまった『量と質』を求めて製材所まで直接買いに行く事になりました。





 彼らは各地の良質なカエデを丸太で買い、基本的には丸いケーキを切る要領でカッティングします。
このケーキ型に切ってあるものを基本的には使うのですが、400年前の先人達は丸太をこれとは別に短冊状にカットしたものと、その中間にあたる材の3パターンの切り口を使っていたようです。
特にネック材は今でこそ木目が深く多いものを使いますが、彼らは逆に木目の少ないものを好んで使い、ネックが持つ本来のラインの美しさをより際立たせたかったのではという考えもあります。
楽器の見方が今とは少し違ったという一面です。


ヴァイオリン制作の名門校ミッテンヴァルトも近いドイツの製材所
 さて、カットされた木材はすぐに売りに出すのではなく製材所にて少なくとも2、3年外気に触れる場所でねかせ、その後室内に保管すると言っていました。カットしたばかりの木は水分を多く含んでいるため突然の環境の変化でひび割れる恐れがあるからだそうです。

 私達が裏板を吟味している間もドイツの製材所ではお兄さんがチェロの裏板の写真を次から次へとデジカメで撮影。インターネットの普及とともに材木の通信販売も今となっては当たり前のようです。








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チェロ、ベース用の木は樹齢50年を超えるものも多くある
 
 家族経営のオーストリアの材木屋さんでは自家製バーベキュー台を発見。
 「残りはベース材として売ったんだ!」とのこと。納得の大きさです。





持ちつ持たれつの材木屋さんと私達。どちらの製材所も毎秋クレモナで行われる弦楽器フェア「モンド・ムジカ」に出店するので、再開を約束して写真撮影。写真は無事昨秋のフェアにてわたすことができました。





 材料も手にしたことですし後は身体を動かすのみ。
 さぁ、作ります!




Chi(清水ちひろ) https://www.facebook.com/hajaandchi?ref=hl